焚き火やバーナーの火に油断は禁物
ソロキャンプの魅力のひとつに、静かな自然のなかで焚き火を楽しむひとときがあります。薪を割り、火をつけ、ゆらぐ炎をぼんやりと眺めるだけで、日常の疲れがふわりとほぐれていく気がするものです。
ただし、焚き火やガスバーナーなど「火」を扱う以上、油断は禁物です。特にソロの場合、何かあっても自分しかいないため、万が一の事態にすぐ対応できるよう備えておく必要があります。
具体的には、強風時の焚き火は避け、火の粉が飛びやすい素材の服は着ないようにしましょう。また、テントやタープと焚き火の距離も必ず確保します。着火剤を使うときは量を控えめにし、ガス器具は事前に点検を済ませておくのが基本です。
消火用に水の入ったバケツを常にそばに置いておくのも、忘れてはならない習慣です。
そして、焚き火後の「後始末」も重要な工程。火が消えたように見えても、炭の中に熱が残っていることがあります。完全に消火したことを確認するまで、その場を離れてはいけません。自然のなかで楽しむ以上、火の管理は最低限のマナーであり、命を守る手段でもあります。
よくあるトラブルとその回避方法
ソロキャンプでは、自分のペースで過ごせる自由さが魅力ですが、それと同時に孤独や不安もつきまといます。よくあるトラブルとしては、「道に迷う」「暗くなってからの設営がうまくいかない」「虫対策が不十分」「思ったより寒い」など、地味ながら心身にこたえるものが多くあります。
まず、「迷子」対策には、事前のルート確認と地図アプリのオフライン保存が有効です。携帯の電波が入らない場所では、紙の地図も役に立ちます。設営は明るいうちに済ませるのが基本。できれば、何度か明るい場所で設営の練習をしておくと、焦らずに済みます。
虫に関しては、虫除けスプレーや蚊取り線香の用意に加え、蚊が好む黒い服や汗のにおいを避けるなど、身だしなみでも対策が可能です。そして寒さ対策としては、夏場でも山間部では急激に冷え込むことがあるため、着脱しやすい重ね着スタイルを意識すると安心です。
万が一のために、モバイルバッテリーと懐中電灯は予備を含めて持っていくのがおすすめです。
また、気持ちの面での「孤独」や「不安」に関しては、事前に誰かに予定を伝えておくことや、キャンプ地で他のキャンパーと挨拶を交わすだけでも、心理的な安心感が生まれます。
自然の中での最高の過ごし方を見つける
せっかくのソロキャンプ。トラブルを避けつつ、気持ちよく過ごすためには、自分にとっての「心地よい過ごし方」を見つけるのが一番です。たとえば、焚き火を前にゆっくりと読書をする時間。静かにコーヒーを淹れて、何もせずに空を眺めるひととき。どれも、一人だからこそ味わえる特別な時間です。
音楽を聴く人もいれば、あえて自然の音だけを楽しむ人もいます。周囲に迷惑をかけない範囲で、自分の世界にじっくりと浸ってみましょう。
また、食事もひと工夫すると楽しみが倍増します。凝った料理でなくても、おにぎりとスープだけで十分。自然の中で食べるだけで、いつもの食事がごちそうになります。
ソロキャンプは、自由である分、気ままな反面すべてが自己責任。だからこそ、事前の準備をしっかり行い、いざというときの対応力を身につけておくことが、最大の安心に繋がります。
そして、何よりも大切なのは「無理をしないこと」。天候や体調が不安なときは、予定を変更してもいい。自分自身の感覚に正直になって、自然と対話する時間を大切にしてください。